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  • 齋藤隆文

写真で見る斜鼻の手術 お鼻の手術治療のイメージ、沸かせます!

最終更新: 6月4日



形成外科専門医の齋藤隆文といいます、東京で形成外科と美容外科をしています。

生まれつき、あるいはけがをして鼻が曲がっている、鼻のつまりがひどい、鼻の穴に左右差がある。皆さんの周りにも、そんな方、いらっしゃるのではないしょうか?

これらの症状は、手術による治療で改善できる可能性が高いです。

この記事では、私が専門の一つとしているお鼻(斜鼻、鞍鼻などのお鼻の変形や美容外科目的)の手術治療について、実際のお写真を見ながらその流れをご紹介します。



さて、前回の記事でお出ししたこのお写真、そうです、斜鼻。


お鼻の曲がりも、鼻詰まりも改善したい。


この方がご相談にいらっしゃると、どういった流れになるのか、一緒に見ていきたいと思います。

*患者さんの個人情報の保護のため、ご本人とのお話の内容は一部変えています。あくまで、一般的な治療の流れを理解していただくための、イメージだと考えてください。

*治療の効果には個人差があります。主治医から十分な説明を受け、リスクや副作用についても納得してから手術を受けましょう。

初診 外来でのお話について

斜鼻については、


・お鼻の曲がりが気になって、形成外科に受診される場合

・お鼻の詰まりが気になって、耳鼻咽喉科に受診される場合


があります。両方の症状があるのに、片方しか自覚していなかったというケースもあります。

なので、少なくとも当院では、最初に診察、あるいは問診した医師が確認して必要であればもう一方の診療科にも診察を依頼するような体制にしています。見た目と機能、どちらも大切です。




この方は子供の頃に鼻をぶつけて、そのあとから曲がりを指摘されるようになったそうです。

見た目の曲がりを気にしてぼくのところにいらっしゃいましたが、お鼻の詰まり(以下、鼻閉)の症状もあったため、耳鼻科に受診してもらいました。

検査としては、

曲がりの画像検査としてC T、M R I検査

=マシンの中で寝ているだけです


鼻腔内の検査としての内視鏡検査

=細い管のカメラで鼻の中を確認します


鼻閉の検査として鼻腔通気度検査

=鼻の空気の流れを確認します

などが主要なものとして挙げられます。


鼻閉の原因はアレルギーが実際には多いので、血液検査で細かく調べることもあります。

この方は上記の検査を一通り受けてもらいました。実際には、初診時に全体の診察と一部の画像検査等を行い、手術をする必要があるかを判断して、ご説明するようにしています。

・鼻骨の軽度の曲がり

・鼻中隔軟骨を含めた軟骨の中等度以上の曲がり

・粘膜の腫れ(医学的には、下鼻甲介粘膜の腫脹、といいます)

を認め、


・鼻中隔の曲がりの矯正

・粘膜の腫れの減量

・鼻と骨の見た目としての曲がりの修正


を目的とした手術を全身麻酔下の2泊の入院治療として計画しました。


なお、鼻の曲がりの修正をする場合には、注意点があります。

鼻の手術なのですが、形作りのために、耳などの体の他の部分から軟骨を採取する場合があります。この方は、お鼻以外に、耳からも軟骨を採取する方針としました。採取方法や傷跡についてはまた別の記事で説明しますが、傷跡がすごく目立ったり、耳が変形したりするようなことは基本的にありません。


入院については、形成外科だけの局所麻酔手術であれば日帰り

全身麻酔手術であれば1泊となります。

その時点で手ご本人の手術希望が明確であれば、手術予定日を調整します。

手術日が決まったら、予定日前1ヶ月以内の時期に、もう一度外来に受診してもらいます。

2回目の外来受診では、ご本人のお顔の写真を用いて、


*ご本人のお顔の左右差や、手術において重要と思われる特徴について

*実際の手術の前後で起こる、見た目の変化


をシミュレーションソフトを用いて、実際に画像を見てもらいながら説明しています。



これが、実際のシミュレーション画像です。あくまでイメージの共有ですので、この結果を保証するものではありません。

横顔、斜め、についても、患者さんの理解が得られるように適宜作成しています。

あとは、その日に全身麻酔手術の前に必要な血液検査、胸部レントゲン、心電図検査を受けて、麻酔科の診察・説明を受けるのに1時間半〜2時間ほどかかります。

ここまで終わったら、入院に関する事務的な説明を最後に受けてもらって、準備完了です。

手術当日

全身麻酔の場合は前日の夜からお食事はストップです。


指定の入院時間に来院していただき、入院手続きを終えたら、ご自身のお部屋で手術開始まで待機していただきます。

手術室の準備が完了したら、看護師さんの付き添いで手術室へ。


あとは、麻酔科の先生のご協力のもと、全身麻酔で眠ったような状態に管理してもらいます。


この辺りはネットで検索するとわかりやすい記事がたくさんありそうです。

〜ここからは、患者さんは寝ています〜

当院では、まず耳鼻科で鼻の中の切開から鼻中隔の曲がった部分の軟骨・骨を切除し、粘膜の腫れを減らす処置をしてもらいます。


その後、形成外科にバトンタッチです。




こんな感じでお鼻の先だけ小さく切開し、あとは鼻の穴の中だけ切ります。

曲がった部分の軟骨と骨をきれいに一つずつ分けていきます。

耳鼻科で軟骨の余分な部分は切除してもらっているので、残った軟骨の構造で補強が必要だったり、左右差が残っている部分を調整します。

基本的には切除した軟骨だけを用いるようにしていますが、耳やお胸から軟骨を少し採取することもあります。


この方は、左耳から少し軟骨を採取しています。


*耳の裏に切開をしている

*耳の形を決める部分は残しているので、術後に形は変わらない


ため、術後に見た目のトラブルが耳に関して起こることは稀です。


あとは、骨の曲がりがある場合には骨の曲がっている部分を特殊な器械を使って切って位置や傾きを修正します。基本的には骨だけ、を切りますので他の部分への影響はありません。


最後に皮膚をかぶせて形を確認し、曲がりがまっすぐに直っていれば完成です。

実際には、この確認を何度か繰り返しながら微調整をすることが多いです。

キズを閉じたら、鼻の穴の中に詰め物をして、鼻の外側にもぶつけたりするのを予防する小さなアルミ製の当て物(デンバースプリントと言います)をテープで固定します。

〜麻酔から覚ましてもらいます〜

あとはうとうとした状態で病室に戻り、意識がクリアになったら医師から説明を受けます。

退院まで

通常は、入院後の経過を見て、手術の翌日から翌々日の間に鼻の穴の詰め物を取ります。


外側の固定は退院前に一度お顔をきれいにして付け直しますが、術後1週間は原則として固定をつけていただいています。


入院中は基本的には病室で安静に過ごしていただき、術後2日目の朝の診察後を目処に退院となります。


退院後は術後5〜7日目に外来に受診し、抜糸をして、固定具を外します。


以降は、術後1、3、6ヶ月目を目安に外来でフォローを受けますが、状況により内容は変更になります。


主治医としっかりと相談し、必要な診察や処置を受けるようにしてください。


これが、術後5ケ月のお写真です。











手術後の患者さんが乗り越えないといけないことについて

だいたいの流れはわかったけど、痛みとか、腫れとか、実際どうなの?!不安!手術が怖い!

患者さんに色々とご説明しても、やっぱり最後はこの話になります。


専門的な部分は僕たち外科医に任せていただきたいのですが、手術を受けるのは患者さんです。

ご自身で乗り越えていただかないといけないことはもちろんあります。

まず一つ目は、痛み。


痛みは、鼻の手術だけの場合には、それほど強くありませんし、術後に痛みが辛いとおっしゃる方は少ないです。

そして、痛み止めの飲み薬をお出しするので、このお薬でほとんど痛みはゼロにできます。


ただ、他の部分から軟骨を採取した場合、特に肋軟骨という胸の軟骨を採取した場合だけは、痛み止めを飲んでも、起き上がったりする時に数日痛みが続く場合があります。

二つ目に、腫れ。


骨を切る手術をしない場合は、マスクをして隠れる程度で、通常は1週間もすると顔が浮腫んでいる程度の腫れが残るだけです。

しかし、骨を切る場合は、内出血が出ることがあり、その場合は腫れが長引く可能性があります。

参考のため、術後1週間で抜糸した時のこの方のお写真をお出しします。







この方は鼻の骨を切る手術もしています。

あとは、術後1〜2日間は鼻の穴の中に詰め物をする影響で、口呼吸で過ごすことになります。一部の患者さんではこれが辛かったとおっしゃられますので、重要と考え事前にお伝えするようにしています。

術後の辛いこととしてメジャーなものは上に挙げたものになります、今後も術式や術後ケアを検討し、より快適に手術を受けていただけるよう改善して参りたいと思っています。

最後に

初めての診察から、手術までの流れを簡単に説明しました。


今後は、ダウンタイムや、手術前のシミュレーションの細かいお話など、もう少し踏み込んだ内容もお伝えできたらなと思っています。


・鼻の手術のリスク

術後出血、感染、傷が開く、曲がりや変形の残存、鼻閉の残存、後戻り、など

・費用

この方は、保険治療で、手術にかかる費用は高額療養費制度の対象となりました。

その場合の費用は約5〜26万円が目安となりますが、詳しくは厚生労働省のH Pをご参照ください。これ以外に、入院日数により入院費用がかかることがあります。

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©2020 by 斉藤隆文 お顔の治療を専門医とする形成外科美容外科医師。Wix.com で作成されました。