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  • 齋藤隆文

見た目と機能と眼瞼下垂 〜お写真で見るダウンタイム〜

最終更新: 13時間前


はじめまして。 形成外科専門医の齋藤隆文といいます、東京で形成外科と美容外科をしています。


まぶたが重い、

目が疲れやすくなった、

肩こりや頭痛がある、

おでこのシワがひどくなった、


などの症状でお悩みではありませんか?

もしかするとその原因は眼瞼下垂かもしれません。


この記事では、私が専門の一つとしている眼瞼下垂治療の術後経過、

いわゆるダウンタイムについてご紹介します。


眼瞼下垂症治療のダウンタイム

前回は実際の患者さんのお写真をお借して、


あなたがもし、

眼瞼下垂の相談で病院に行くと、

どういった流れになるのか、


について解説しました。


これで、初めての受診から手術までの、基礎的な知識についてはもう大丈夫です。

あとは、書いてあった中でさらに心配なこと、気になることは別の記事で解決していってください。


さて、次に気になるのは、そうです、、、


ダウンタイム!!


手術の後に、自分のまぶたがどのように変化していくのか、知りたいですよね。


というか、

知らずには受けられないでしょ、

という方もおられると思います。


今日も、心優しい患者さんのご協力で、

実際の経過写真をお見せしながら解説していきたいと思います。


おそらくこの記事まで読めば、

あなたの眼瞼下垂治療の予備知識、

かなりついていると思います。

あと少しです、頑張りましょう!!!





この患者さんは、加齢による皮膚のたるみとまぶたをあげる機能が低下した典型的な眼瞼下垂症です。

ハードコンタクトレンズを昔使っていたことも影響していますが、それについてはまた別の機会に説明したいと思います。


つまり、

初診からの流れとしては、

前回の患者さんとだいたい同じ経過を辿って手術を迎えています。

なお、眼瞼下垂の一般的な治療の流れについては、以前のポストで説明していますので、いきなりこの記事にたどり着いた方は、先にそちらを参考にしてください。


手術治療の考え方の基本

眼瞼下垂の手術治療は主に、


①けんばんと挙筋を再固定して、まぶたの開く機能を改善させる


②まつげにかぶさってくる余分な皮膚を切除する


という2つのポイントでプランニングされます。(だいぶ簡略化していますが笑)


  • まぶたをあげる機能にだけ問題があれば①だけ


  • 皮膚がかぶさって見えにくいだけならば②だけ


  • そのどちらもがある場合は①と②


をすることになります。


①はとってもシンプルです。

まぶたが開く強さを変えます。

この調整が実はすごく難しいんですが、ここから先は、お医者さんの仕事です。患者さんには見えない仕事の部分です。


問題は②です。

まぶたのどの部分の皮膚を、どのくらい切除するか。これによって、まぶたの印象が随分と変わってきます。


基本的には、皮膚切除だけを考えると、


切除しない

眉毛の下のラインに沿って傷うっすら残るように、皮膚を切除する

二重のライン(ひとえの人は、その人が二重だった場合の線を仮定します)に沿って切除


上から下にいくにつれて印象変化が大きくなってきます。


そしてもちろん、皮膚切除の量が多ければ多いほど、印象変化が大きくなります。


逆に言えば、ほんの少しの皮膚切除であれば、印象変化にはあまり影響しません。


また、完全な一重まぶたの人は、二重まぶたになるデザインが含まれることにも注意が必要ですが、これについては少し話が逸れるので、またの機会に説明します。


ややこしいのは、①と②の組み合わせの場合です。


実は、①をする場合は、必ず二重のラインを切開してアプローチすることになります。


なので、①と②をする場合に皮膚切除は眉毛の下でやりたい、となると、切開が2つできることになります。


ですから、手術のプランを聞くときは、


⑴まぶたをあげる機能を改善する手技が必要かどうか

⑵皮膚切除はどの程度必要か、眉毛の下と二重のラインどちらから皮膚を切除するか


の2点を確認しておく必要があります。


そして、術後ダウンタイムへの影響としては、

⑴が必要だと術後の腫れは強くなり、⑵の切除量が多くなっても、腫れが強くなります。




今回の患者さんは、


とにかくまぶたの重さが改善して欲しい。

皮膚のたるみは気になってない。

印象変化はできるだけ避けたい。


というご希望でした。ですから、


皮膚切除が少なく、まぶたをあげる機能改善をメインとしたプランとしました。


ですので、この後にお見せするダウンタイムは、


比較的“腫れが少なめ” 


なプランの通常経過、と考えてください。


なお、全く皮膚を切除しない場合もありますが、少しは切除することが多いので、こちらの方がより現実的な経過だと思います。

術後の流れ

<術当日>





組織の切除量が少ないタイプの手術であっても、

手術に使う局所麻酔の量や、

手術中の内出血の有無により、

腫れの程度は個人差が大きいです。


なので、ぼくは必ず、


手術後10日間はとっても腫れると思って、予定を立ててください。


と、お話ししています。


この方は、だいたい、

平均的な術直後の状態だと思います。

<術後5日目>





抜糸です。

内出血が術後にあった場合も、これくらいの時期には紫色が黄色く変化してきて、最終的に吸収されて元に戻ります。


内出血の色は残りません、安心してください。


そして、抜糸すると、どんどん腫れは引いていきます。


抜糸するまでは、

縫合している部分に軟膏を塗ってもらいますが、

抜糸後は、自己処置はゼロです。


シャワーも洗顔もOKです。


その辺りは、前回お出ししたパンフレットをもう一度見直しておさらいしてください。

<術後1ヶ月>





この頃には、だいたい7、8割の腫れが引いています。

この方の場合、術後一時的に上がっていた眉毛も下がってきて、

この方本来の、優しいまぶた、

を取り戻しつつあります。


この頃には、患者さんの笑顔もどんどん素敵になってきます。



術後一時的に眉毛が上がっていたのは、まぶたがパンパンに腫れて、開けづらいため、眉毛で補助していたからです。

眉毛が下がったのは、つまり、

腫れが引いたことも示しています。

<術後半年>





だいたい術後3ヶ月で完成です。

術後3ヶ月と半年は見た目にはほぼ同じなので半年だけお出ししています。

が、そこからの変化も慎重に経過を見て、これでもう安心です。

できるだけ目の印象を変えたくない、

機能の改善重視でやってほしい。


というご希望でしたので、

皮膚は最低限の切除としています。


術後は眉毛が下りてきても、ギリギリまつげに皮膚が被っていませんが、

エイジングが進んで皮膚が当たるようになってきたら、


改めて皮膚の調整が必要になり、

そのときは眉毛の下での皮膚切除をオススメすることになりそうです。


ただし、キズは本当にきれいになります。

さて、ここでポイント!

そうはいっても、ギリギリまつげに当たらないくらいよりは、

もっと皮膚取っておいたほうがよくない? 手抜き?!


とお思いの方がいらっしゃるかもしれません。

ここにはきちんとしたワケがあります。

最初にお話しした、

ハードコンタクトレンズ略してH C L、

これが原因の方は控えめがいいんです。


H C Lが原因の眼瞼下垂は、術後に後戻り・再発をしやすいことが知られています。

なので、手術の後で少し下がってしまうかもしれません。


それなのに皮膚だけたくさん切除すると、二重幅だけが広くなって、本人が一番嫌がっていた、


“印象の変化”


が大きくなってしまいます。


皮膚は、後からは切除できても、切除したら戻ってこないのです。

そして、この方の場合は、これも事前にお話していたので、



『またそれで困ったら先生んとこ来るね』


と笑顔で最後の診察を終えました

でも、そうはいっても、手術は一回で完璧にしたいですよね。

もっと経験を積んで、いつか、この辺りを自分の中では解決したいなあ、なんていつも思っています。

最後に

ここまで読んでくれた皆さん、本当にお疲れ様でした。

でも、これで眼瞼下垂の基礎知識はバッチリです。

今悩んでいなくても、日本人の多くの方が一生のうちのどこかで悩む病気です。

なんといっても長寿国家ですから。


ここから先のまぶたの記事は、

もう少しマニアックなことを、

掘り下げて書いていこうと思います。


また、意外と知らない豆知識だったり、

日常診療で患者さんから聞かれた意外と大事だなそれ、みたいなことを、

アメブロの方でもっとフランクに書いています。よかったらそちらもご参考にどうぞ。

施術内容:眼瞼下垂症手術(挙筋前転)


費用:今回のような保険治療の場合 3割負担で約5万円 


リスク:腫れ、内出血、痛み、違和感、左右差や後戻り、ドライアイ、眼瞼痙攣、霰粒腫、など


聖路加国際病院 形成外科 月曜日・金曜日 初診外来 予約制

加藤クリニック麻布 不定期の木曜日・土曜日 初診外来 予約制

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